AKB48「SHOWROOM選抜」は本田仁美が優勝。注目候補の当落や投げ銭ビジネスの功罪について

2022/08/04

AKB48

7月18日から約半月にわたって行われた「SHOWROOM選抜」オーディションが終了し、最終結果が8月3日正午に公開された。

コロナに感染すると強制的に離脱させられる過酷な状況下だったが、その逆境が最終日のミラクルを生み出す結果になってしまった。


SHOWROOM選抜のセンターは本田仁美

激闘が繰り広げられたSHOWROOM(以下 SR)イベントの勝者は「元カレです」のセンターを務める本田仁美となった。

いわゆる「推され枠」でありながらSRの投げ銭イベントに参加した(させられた?)ことに驚いたが、日本人以上に韓国人のファンから幅広く支持と投げ銭を集め、一度もトップを譲ることなく優勝を収めた。

結果だけを見れば本田が「新・投げ銭女王」と言えなくもないが、期間中にコロナウイルスに感染しながらもラスト2日で圏内に入った大西桃香の末脚は見事としか言えない。

また、大西の陰に隠れているが岩立沙穂や山根涼羽の追い込みも見事なもので、結果的に橋本陽菜と坂口渚沙が押し出されて涙を呑む形となった。もっとも、ある程度の差がついていれば諦めもつくが、僅差なのでメンバーだけでなくヲタもショックを受けたことは間違いないだろう。

一方、小栗有以は実績や知名度に比べると苦戦を強いられ、最終的には9位の橋本との差は74万ポイントという薄氷の勝利となった。グループの中心メンバーとしては心もとない結果だが、SRという特殊な環境が大きいのかもしれない。

結果を見れば5~10位は団子状態だったので誰が落ちても不思議ではないものだったが、いずれの陣営も力を出し切った結果であることは間違いない。ただ、勝負がつけばノーサイドなので、特定のメンバーに対する誹謗中傷は論外である。


SHOWROOMビジネスの功罪と今後

48グループにとってSRの存在はあまりに大きくなっており、特にAKBとSTUは本業がチャットレディと言っても差し支えないほどになっている。

いわゆる地下アイドルが宣伝やトークの練習を兼ねて配信することは珍しくないが、メジャーアイドルが毎日のように配信することは異例であり、その内容もヲタからの集金によって雑誌掲載や今回のような楽曲メンバーを決めるなど異質だ。

運営会社「DH」の財務状況は公表されていないが、CD売り上げの低迷などを踏まえれば資金が潤沢であるという可能性は低く、結果として安易に集金ができるSRに依存してしまうというループに陥っていると考えられる。

もちろん、資金難での活動休止や規模縮小はメンバーやヲタが望んでいないので仕方がない面もあるが、過去の総選挙を彷彿とさせる界隈を対立させるやり方は疲弊や不満をもたらし、最終的には別のグループへの脱出へと繋がりかねない。

一方で総選挙から続く界隈の対立文化は当たり前のように根付いていることから、多額の投げ銭に違和感を持つことなく注ぎ込んでいる層も少なからずおり、その富裕層によってグループの寿命が多少なりとも延びているという面は否定できない。

SRだけでなくオンライントークなどコアな層から絞り続けるという従来のビジネスモデルがいつまで続くかはわからないが、直接の握手会が再開されるまで凌ぐことができれば以外と長続きするかもしれないという希望的観測は持っている。

いずれにしても、今になって過度な集金や接触を辞めろというのはグループの歴史を否定することにもなるので、無茶な路線変更をすることなく、運営やヲタクもひたすら信じて突き進むしかないのではないだろうか。

(敬称略)

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